家庭や小規模事業所でも電気の基本料金を賢く見直せる電子ブレーカーについて詳しく解説します。
導入メリットと注意点を整理しましたので、契約見直しの参考にぜひお読みください
従来型ブレーカーとの違い
従来のブレーカーは、金属が熱で変形することで電流を遮断する方式です。この仕組みでは電流の検知にズレが生じやすく、契約アンペア数が実際の使用状況に合わないことがあります。契約しすぎることで電気代がかさむ一方、少なすぎるとブレーカー落ちが頻発してしまいます。ブレーカーが落ちることを理由に余裕を持たせ、大きな契約アンペアにしている方も多いのではないでしょうか。しかし、 CPUを内蔵した電子ブレーカーなら電流値と通電時間を正確に計測し、許容範囲で制御できるため、契約アンペアを抑えられます 。
基本料金の仕組みと節約効果
契約アンペア数が大きいほど基本料金は高くなります。たとえば30Aで足りるのに40Aや50Aで契約すると、毎月数百円~千円以上の差が生じ、年単位では大きな出費になります。電子ブレーカーを活用すれば、実際の使用状況にもとづいて契約容量を適正化し、基本料金を10%~最大50%程度削減することも可能です。
安全性と安定性の向上
従来型ブレーカーは、電流の流れによって内部の金属が加熱・膨張したり、磁気作用によって機械的に遮断する「熱動式/磁気式」方式です。そのため熱の影響や構造の個体差により、若干のズレや反応遅れが生じることがあります。
一方、電子ブレーカーはCPUで電流と通電時間をリアルタイム計測し、過電流や短時間の過負荷を瞬時かつ高精度に検知します。そのため、より迅速かつ正確に電流遮断を行い、安全性が高いと言えます。
電子ブレーカー導入前に考えてほしいこと
ここまで電子ブレーカーの特徴について記載してきて、導入を検討してくれてる方もいるかもしれません。しかし、少し待ってください。工事費や材料費の負担を考慮すると、電子ブレーカー導入が完全にお得かどうかはまだわかりません。実際に導入し、最終的には100万円超の請求を受け、工事後の基本料金の削減効果は月々数千円だったとの事例もあります。
「初期投資が100万以上」で、「毎月の節約が数千円」。長い目で見たらお得という考えもありますが、電子ブレーカーは精密機械です。メーカーによれば耐用年数はおよそ10年~15年ほど 。つまり、10年ごとに交換が必要になる可能性があるということです。その時にまた高額な工事費が発生することも頭に入れておかなくてはなりません。
電子ブレーカー導入前にやってほしい3つのチェックポイント
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工事費と材料費の見積を複数社から
本体+工事費込みで30万~50万円程度が相場です。ただし、100万円超の見積を出す業者も存在するようで要注意 。 -
月々の基本料金削減額をシミュレーション
たとえば月5千円減であっても、6年で30万円。初期費用とのバランスが重要です。 -
10年後の交換リスクも加味する
国内メーカーによると10年程度で部材の交換が必要 。長期的な支出も計算に入れてください。
電子ブレーカーのメリットは確かにあります。合理的に契約容量を減らすことで費用削減や安全性が向上するシステムです 。
ですが、導入前に必ず、工事内容や見積金額をしっかり比較検討した上で、コストと節約額を天秤にかけて判断することをおすすめします。
参照